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タクシーの就業規則と改善基準
1.自動車運転運転者の労働時間等の改善基準ポイント

改善基準には、拘束時間の限度と休息期間の確保、運転時間の限度、タクシーにおける累進歩合制度の廃止等の基準が示されています。「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(改善基準告示)に照らして、事業所の労働条件は基準以内なのか、基準を越えているとするとどの点を改善すべきか、チェックいたします。
【御社の自動車運転者の労働条件をチェックいたします。】
a. 以下の資料(コピー)をお送り下さい。
@「乗務日報」 (直近2ヶ月分、労働者2名分)
A「就業規則」、「賃金規程」
B「時間外・休日労働に関する協定書」
C 「その他協定書(「貨物自動車運送事業に従事する自動車運転者の1ヶ月についての拘束時間の延長に 関する協定書」、「車庫待ち等の形態で日勤勤務を行う自動車運転者に係る1ヶ月についての拘束時間に 関する協定書」などの協定書

b. 到着後約2週間で労働条件チェックの上、診断書及び請求書をご郵送致します。
* 資料は、こちらです。

2.割増賃金と保障給

a.割増賃金についての考え方
完全歩合制における割増賃金の計算は、歩合給の総額を当該賃金精算期間中の総労働時間で除した単価に時間外労働(0.25)、休日労働(0.35)及び深夜労働(0.25)の乗率を掛けたものを支払うもので、この場合における歩合給の総額とは、最低保障額も含めた総額を指しています。この場合における歩合給の総額とは、最低保障給も含めた総額を指しています。

b.割増部分の注意点
割増賃金部分は、通常の歩合部分と分けなければならず、まとめて支給することは判例で否認されています。
時間外、深夜労働の算出が困難であるタクシー事業において、割増賃金を含めて歩合給が支払われていた事例について最高裁は、通常の労働時間と時間外に対する賃金が区分されていない賃金制度は労働基準法第37条に違反するという判断を行いました。

c.保障給の考え方
保障給は1時間につきいくらという設定しなければなりません。当然この単価は最低賃金法の規定を上回るのも出なければならず、自由に設定できるというものではありません。歩合制度の場合は、労働時間に応じ、固定的賃金と併せて通常の賃金の6割以上の賃金が保障されるように保障給を定めます。

3.タクシー乗務員の賃金と最低賃金法

「最低賃金制度」とは、最低賃金法に基づき、国が賃金の最低限度を定め、使用者はその金額以上の賃金を労働者に支払わなければならないとする制度です。
例えば、タクシー運転手の賃金制度が、固定給と歩合給とが併給される場合であっても、オール歩合給の場合であっても、給与額を1時間当たりに換算した金額が、都道府県ごとに定められた最低賃金額未満となった場合、最低賃金法違反となります。

固定給と歩合給が併給される場合、ある月の賃金を、総支給額164,652円、そのうち固定給(ただし、精皆勤手当、通勤手当及び家族手当を除く)90,000円、歩合給50,000円、所定労働時間を170時間、時間外労働時間を30時間、深夜労働時間を15時間と仮定します。

固定給に対する時間外割増賃金は、
90,0000円÷170時間×1.25×30時間=19,853円
固定給に対する深夜割増賃金は、
90,000円÷170時間×0.25×15時間=1,986円
歩合給に対する時間外割増賃金は、
50,000円÷200時間×0.25×30時間=1,875円
歩合給に対する深夜割増賃金は、
50,000円÷200時間×0.25×15時間=938円
となります。

固定給と歩合給が併給されている場合は、それぞれ時間当たりの賃金額を算出し、これらを合算したものが時間当たりの賃金額となります。

固定給部分について
90,000円÷170時間=530円
歩合給部分について
50,000円÷200時間=250円
固定給と歩合給の合算額は780円となります。
この時間当たりの賃金額780円をその地域の最低賃金と比較することになります。

780円>766円(東京都の最低賃金:2008.10.19)

オール歩合給の場合、歩合給を140,000円、所定労働時間を170時間、時間外労働を30時間、深夜労働時間を15時間と仮定します。

歩合給は、140,000円
時間外割増賃金は、
140,000円÷200時間×0.25×30時間=5,250円
深夜割増賃金は、
140,000円÷200時間×0.25×15時間=2,625円
総支給額は、
140,000円+5,250円+2,625円=147,875円
となります。

時間当たりの賃金額の算出は、所定労働時間に関係なく、タクシー運転手がその歩合給を得るために働いた月間総労働時間をもとに算出します。歩合給とは別に時間外(30時間分)および深夜(15時間分)の割増賃金の支払いが必要ですが、時間当たりの賃金額の算出に当たっては、これら割増賃金は算入しません。

時間当たりの賃金額は、140,000円÷200時間=700円
で、これと、その地域の最低賃金を比較することになります。

700円<766円(東京都の最低賃金:2008.10.19)

時間当たりの賃金額が最低賃金を下回る場合、最低賃金法違反となり、最低賃金額に達するまでの賃金の差額及びその差額に対する割増賃金を支払う必要があります。

なお、歩合給の中に時間外及び深夜の割増賃金を含めている事業場も一部見受けられます。しかし、このような賃金の支払方法は、歩合給相当部分と割増賃金相当部分の区分が不明確であり、割増賃金を計算する上での通常の労働時間の賃金が明らかでないので、適切といえません。
4.介護タクシー

介護タクシー事業を介護報酬を得て始めるのには次の2つの許可が必要です。
a.訪問介護事業(介護保険事業者指定)
b.一般乗用旅客自動車運送事業(福祉限定輸送事業)
平成16年3月16日に国土交通省から各地方運輸局へ「患者等の輸送サービスを行うことを条件とした一般乗用旅客自動車運送事業の許可等の取扱いについて」の通達が出されました。
内容として、「要介護者」・「要支援者」または「身体障害者」または肢体不自由、内部障害(人工血液透析を受けている場合を含む)、精神障害、知的障害などによって単独での移動が困難な者であって、単独では公共交通機関を利用することが困難な者を、車いすもしくはストレッチャーを固定して輸送する車両か、介護福祉士・訪問介護員・居宅介護従業者の資格を持つ者または社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会などが実施するケア輸送サービス従事者研修を修了した者が乗務するセダン型などの一般車両で輸送する場合に限定してタクシー許可申請の要件を緩和するというものです。

セダン型などの一般車両を使用する場合は、以下のような条件があります。
a.介護福祉士若しくは訪問介護員若しくは居宅介護従業者の資格を有する者が乗務する事。
b.社団法人全国ハイヤー・タクシー連合会などが実施するケア輸送サービス従事者研修を修了した者が乗務することです。